(2)あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか?

January 23, 2017

 

強い「使命(ミッション)」

 

 経営理念の柱は「使命(ミッション)」です。「使命(ミッション)」とは、企業が何のために世の中に存在するのかを明確にするためのもの、企業の存在理由です。
 例えば、パナソニックは昭和4年に松下幸之助が制定して以来、現在に至るまで
「私達の使命は、生産・販売活動を通じて社会活動の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与すること。」
とあります。


 京セラは創業者稲盛和夫の
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」
 非上場長寿企業の代表YKKは創業者吉田忠雄さんの
「『善の循環』他人の利益を図らずして、自らの繁栄はない」
などが私の言う企業の「使命(ミッション)」です。

 

 「使命(ミッション)」は機織りで言えば、縦糸です。
 正しくは「経糸」と書きます。横糸は「緯糸」と書きます。機織りの縦糸は基本的に幅も色も変わりません。そこに各世代ごとの経営者が違う色の横糸を織り込んで、その社長の「目的地(ビジョン)」の模様である織物を創りあげるのです。縦糸そのものが弱かったり、張り方が弱かったらまともな織物は出来ません。経糸を通す段階で、何のために、何をおろうとするのかを決めておかなければ、緯糸をどんなよいものを使ってもお客様に認めてもらえるものは完成しません。
 「経」は旧字体では「經」でまさに機織り機に縦糸を張っているであるのがわかります。経路、経度、経緯、経済、経営、経費、経常、経験など、「経」を使っている熟語を私たちはたくさん使っています。
 「経済」は「経世済民」の略語で、世の中を治めて民衆をすくうことだということは多くの経営者がご存知ですね。それでは、経営者である私たちは、経営において日常的に使用している、「経営」、「経理」、「経費」の語源や本当の意味を知って経営に携わっているのでしょうか?
「新字源」(1)を開いてみますと
「経営」: ①土地を測量して建物や町を造る計画を立てる。②事業を営む
「経理」: ①治め整える。また、そのすじ道。③常理。不変の法則。
「経費」: ①普段必要とする決まった費用。経常の費用
とあります。
 普段必要としない無駄な経費を使い、経理は税理士に丸投げして前月どころか数カ月前の試算表もわからないで業績が芳しくない経営者には耳が痛い意味ですね。

 『長寿幸せ企業』を研究し、実践のお手伝いを続けていると、「使命(ミッション)」を芯とする「経営理念」が明確でない企業や、口先や社長室の額に掲げているだけでだけで、それに従った経営をしていていない企業は消滅していくと断言できます。


 経営者が、わが社はこの「使命(ミッション)」を達成し、継続し続けるために、世の中に無くてはならない存在であり続けなければならないという強烈な「熱意」と「徳性」を持っているから、どんな困難にも立ち向かっていけるのです。


 「熱意」を支え続けるのは強い使命感です。くしくも、

松下幸之助は、「知恵の出る公式」として
「知恵=知識×『熱意』+経験」と言われ、
稲盛和夫は
「仕事の結果=考え方×『熱意』×能力」と表現されています。


 

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は毎週月曜日に発信しています。次週は (2)あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか?その② 明確な「目的地(ビジョン)」 です。

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明確な「目的地(ビジョン)」


 私はビジョンを「目的地」と表していますが、正確には「目的地のシーン」、つまりビジョンを達成したときの企業の状態です。


 あなたが二代目や三代目など事業承継者として経営トップに着いた。その強い「使命(ミッション)」をお持ちのあなたが次期社長にその座を譲る時までに、あなたが理想とする会社や事業がどんな規模や状態で、そこで働いている社員がどんな様子であって、「使命(ミッション)」がどのように達成されているかなど「会社のなりたい姿」を言葉や文章で表現したものが「目的地(ビジョン)」です。


 できればそのシーンにあなたの会社が扱っている商品やサービスやそれらを買ってくださるお客様の笑顔が描け、次世代にバトンタッチできるような『長寿幸せ企業』の道が続いていれば最高ですね。
 「熱意」が強ければ、絵には描けなくても、目を閉じればまぶたの上にその絵がはっきりと見えてくるものです。超一流のスポーツ選手が常に金メダルや優勝メダルやを首にかけてもらうシーンを思い描くということをよく耳にしますが、それと同じです。

 

 売上高などの数字やお金は「目的地(ビジョン)」を達成するために必要な金額や数字であるはずです。詳しくは次回お話しますが、「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」なのです。

 

 「人生は重荷を背負うて坂道を行くが如し」という徳川家康の言葉がありますが、人生の一部である会社経営も恐ろしいくらい沢山の試練や危機の連続です。山を登ってやっとの思いで峠を越えたと思ったら、もう次の高い山が目の前に現れます。海を泳いで渡ろうとしたら、一つの大きな波を超えても小さな波が次から次からやってきて、その先にはまた大きな波が潜んでいます。トップであるあなたはそのつど判断し、決断して、会社を引っ張っていかなければなりません。

 

 あなたが何処へ行こうとしているか「目的地(ビジョン)」がはっきりしていれば、近くの里山に登る準備をするのに、富士山に登る服装や装備を持っていったり、その逆をやってしまったりするようなことはありません。
 里山に重装備で行くのであれば余分な苦労が伴うだけで済むかもしれませんが、目的地を明確にせずに、河口湖にドライブに来たついでに富士山に雨具や防寒具、予備食なしで登り、悪天候にでも遭遇すれば死に至る可能性まであります。富士山に登るという前提で、準備をすれば死(倒産)に到る確立は非常に低くなります。


 登山や旅行はきちんと目的地を決めていくのに、会社経営に「目的地(ビジョン)」を決めていかないのはおかしいと思いませんか。登山でも「そこに山があるから」登って遭難では済まされません。会社を経営するのに「そこに会社があるから」で経営されてはたまったものではありません。しかし、現実には「何のためにどこに向かって行く」のかを決めなくて闇雲に経営されている中小零細ファミリー企業経営者が多くおられます。

 

 強い「使命(ミッション)」や明確な「目的地(ビジョン)」に、この後お話する「信条(クリード)」や「行動規範(モラルコード)」などの経営理念があれば、問題がおこった時の対処方法も適切なものになります。 経営判断には短期的には正しくても、長期的にみると間違っていたということも往々にしてあります。


 経営理念があれば、その場、その時の損得や好き嫌い、他人のアドバイスで経営判断してしまう危険を避けることが出来るのです。

 

(1)角川学芸出版 「角川新字源改訂版」 小川環樹 西田太一郎 赤塚忠 編

 

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